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糖尿病



糖尿病について

糖尿病は、血液中の血糖値(血糖)が慢性的に高くなる病気であり、進行すると尿に糖が出るようになります。
この状態の根本的な原因は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」の不足や作用低下です。
1型糖尿病では、インスリンがほとんど分泌されなくなることが原因であり、2型糖尿病では、インスリンの分泌が不足して、体がうまく反応しなくなる(インスリン抵抗性)ことが問題となります。
糖尿病の本当の怖さは、血糖の異常が続くことで**全身の血管が傷つき、動脈硬化が進行する「血管の病気」**であることです。
そのため、適切な治療を行わないままでいると、脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる病気につながるおそれがあります。
また、腎臓の機能も低下しやすくなり、最終的には腎不全となって人工透析が必要になることもあります。
糖尿病の状態は、血液検査でしか確認できないため、定期的な受診がとても重要です。
さらに、糖尿病が進行すると、目の細い血管にも障害が起こり、視力の低下や最悪の場合は失明に至ることもあります。このため、眼科での定期的な検査・受診も欠かせません。
加えて、歯ぐきの炎症(歯周病)も糖尿病と深い関わりがあります。糖尿病があると歯周病が進行しやすく、逆に歯周病があることで血糖コントロールも難しくなるという相互関係があります。
したがって、歯科での定期的な検診や口腔ケアも非常に大切です。

1型糖尿病

自己免疫など後天的な要因によって、すい臓からインスリン(血糖を下げる唯一のホルモン)が分泌されなくなることで発症します。
このタイプでは、体内のインスリンが絶対的に不足しているため、インスリン注射などによる補充が不可欠です。
小児や若年層に多く見られますが、成人でも発症することがあります。

2型糖尿病

すい臓からのインスリンの分泌が不十分になったり、その効き目が悪くなったりすることで血糖値が上昇します。
発症には、遺伝的な体質(家系)と生活習慣(食事・運動不足・肥満など)の両方が深く関係しています。
日本人の糖尿病の約90%以上がこの2型に分類されます。

その他の特定の型の糖尿病

以下のような明確な原因があり、それによって発症する糖尿病です。
  • 内分泌の病気(例:クッシング症候群など)
  • 膵臓や肝臓の病気(慢性膵炎・肝硬変など)
  • 特定の薬剤(ステロイドなど)
  • 遺伝子異常(MODYなど)

これらは比較的まれですが、原因に応じた対応が必要になります。

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて発見される、軽度の糖代謝異常を「妊娠糖尿病」といいます。
明らかな糖尿病とは区別されますが、妊娠中の管理が重要で、母体や胎児に影響を及ぼす可能性があるため専門的なフォローが必要です。
また、将来的に2型糖尿病を発症するリスクも高まるため、出産後も継続的な健康管理が大切です。
糖尿病の種類と特徴一覧表
種類 発症の主な原因 インスリン分泌・作用 主な治療 特徴・注意点
1型糖尿病 自己免疫などによる膵臓β細胞の破壊 分泌がほとんど・まったくない インスリン注射が必須 若年層に多いが、成人にも発症することがある
2型糖尿病 遺伝要因と生活習慣(過食・運動不足・肥満など) 分泌が不十分、または作用が弱い 食事療法・運動療法・薬物療法など 日本人に最も多いタイプ(約90%以上)
その他の特定の型 内分泌疾患、膵疾患、肝疾患、薬剤、遺伝子異常など 病因により異なる 原因に応じた治療が必要 MODY、ステロイド糖尿病などが含まれる
妊娠糖尿病 妊娠中に初めて発見される軽度の糖代謝異常 妊娠に伴うインスリン抵抗性の影響 食事療法・血糖管理・インスリン投与(必要時) 出産後も糖尿病発症リスクがあるため継続的フォローが必要

糖尿病治療について

日常生活の改善が治療の第一歩

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなることで、血管にダメージを与える全身の病気です。
進行すると、心筋梗塞、脳梗塞、腎不全、失明などの重大な合併症を引き起こすおそれがあります。
そしてこの病気の治療には、患者さんご自身が主役として生活習慣を見直すことが極めて重要です。
当院では、医学的根拠に基づいた診療と、患者さんに寄り添った指導を通じて、糖尿病の進行予防と合併症の回避を目指しています。

糖尿病の本質は「血管病」です

糖尿病は、血糖を下げる唯一のホルモン「インスリン」の分泌不足や作用低下によって起こります。
1型糖尿病
インスリンを作る膵臓の細胞が壊れ、インスリンが分泌されなくなるタイプ
2型糖尿病
インスリンの働きが悪くなったり、分泌が不十分になるタイプ(日本人の95%以上が該当)
高血糖が続くと、目・腎臓・神経・心臓・脳などの細い血管に障害が起こり、生活の質を大きく損ないます。
このため、糖尿病は「血糖の病気」であると同時に「血管の病気」とも言えます。

治療の柱は3本立て+テクノロジーの活用

【1】食事療法

一人ひとりに必要なカロリー量をもとに、たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂取することが基本です。
暴飲暴食・偏食・間食の見直しから始めましょう。
【2】運動療法

運動不足は糖尿病や高血圧、脂質異常症の悪化要因です。
毎日少しずつでも
  • ウォーキング
  • ストレッチ
  • サイクリング
などの有酸素運動を継続することが効果的です。
【3】薬物療法

食事や運動だけで血糖コントロールが難しい場合は、
  • 経口血糖降下薬
  • インスリン注射
  • 注射型のホルモン薬(GLP-1作動薬)
などの薬物治療を併用します。

新しい薬「マンジャロ®」
当院では、週1回注射で使用するデュアルインクレチン作動薬「マンジャロ(チルゼパチド)」も導入しています。
血糖コントロールと体重減少効果に優れており、肥満を伴う2型糖尿病の方に有用な治療選択肢です。

FreeStyleリブレ2による血糖モニタリング

当院では、FreeStyleリブレ2を使った自己血糖モニタリング(CGM)を推奨しています。
腕に貼付したセンサーで、スマートフォンからリアルタイムに血糖の変動を確認できます。
  • ご自身の食事・運動・服薬の影響が「見える化」され、
  • 医師の治療調整や栄養士の生活指導に活用できます。
「2週間で自分の生活を振り返る“教育入院のような体験”」を、ぜひご自身で感じてみてください。

生活習慣の改善サポートも行っています

糖尿病は生活習慣病の一つであり、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満・心臓病・脳卒中・痛風などが互いに関連しています。
当院では、以下のような生活習慣是正にも重点的に取り組んでいます。
項目 内容例
塩分制限 1日6g以下が目標。漬物・汁物を控え、まず食事量を見直すことが効果的です。
カリウム摂取 野菜・果物・芋類などでナトリウムを排出し、血圧を下げる作用があります(腎機能に応じ要相談)。
体重管理 標準体重=22×身長(m)²。見た目や体重だけでなく内臓脂肪型肥満にも注意が必要です。
アルコール 日本酒1合、ビール500mlが目安。飲みすぎは高血圧や脂肪肝のリスクになります。
喫煙 動脈硬化を進行させる最大のリスク。禁煙外来でサポートいたします。
ストレス 精神的ストレスや寒暖差による身体的負荷も血圧を上げます。心身両面のケアが大切です。
あなたの「できること」から始めましょう
生活の中での小さな改善の積み重ねが、糖尿病治療の大きな前進となります。
「今までできなかった」「何をすればいいかわからない」という方も、医師・看護師・管理栄養士がチームでサポートします。
治療はあなた一人で頑張るものではありません。
お気軽にご相談ください。